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労働契約法【無期転換ルール】について(2018年問題)

更新日:1月17日






様々な法改正が行われ、労働者にとって「働きやすい労働環境」となりました。

しかし、法改正によって”大量の雇止めが起きる可能性”という懸念もされています。

今回は2018年問題の1つ【無期転換ルール】について解説します。


目次



1.無期転換ルールが2018年問題と言われる理由とは?

「無期転換ルール」が制定されたのが2013年4月1日です。2013年4月1日以前から有期雇用契約者として働いている労働者は、5年後の2018年4月1日に「無期転換のルール」が適用されます。

しかし、企業のなかには”有期雇用契約者を無期雇用したくない”と思っている会社もあります。


また、2015年10月1日に改正された労働者派遣法では労働者派遣の「期間制限を定めた3年ルール」が制定され、3年後の2018年10月1日に「期間制限を定めた3年ルール」が適用されました。


これらが適用された契約が2018年4月1日から満期を迎え始めることから、企業は「有期雇用労働者を解雇」する選択肢を選ぶことが考えられます。

2018年4月1日を機に、無期転換ルール適用寸前の有期労働契約者が雇い止めに遭う確率が高くなるのではないかという意味で【2018年問題】と呼ばれているのです。


2.企業が無期転換ルールに消極的な理由とは?

2018年問題は、法改正により労働者を雇いたくても人件費の関係で継続できないなど、企業も労働者も頭を悩ませる問題となっています。企業が無期転換ルールに消極的になってしまう悩みの現状についてご紹介します


2-1.無期転換にすると解雇が難しい

無期転換ルールが適用されると、雇用期間が無期となり、有期雇用契約者と比べると解雇するのが難しくなってしまいます。企業のなかには「人員を削減しなければならなくなった」等の理由で、派遣労働者を解雇しなければならないケースもあります。 そのような状況になった際、有期雇用契約者の場合では、「契約満期」を理由に雇い止めを行うことが出来ます。しかし、無期雇用契約者の場合は雇用期間が定まっていないため、有期雇用契約者と比べて解雇時のハードルが高いのです。その結果、無期雇用契約への転換に消極的な企業が存在してしまうのです。


2-2.無期転換にするとコストが上がる可能性がある

派遣元によっては、労働者を無期転換した時に「研修制度を充実させなければならない」等の理由で無期雇用労働者にかかるコストが上がってしまうケースもあります。

また、有期派遣労働者から派遣先正社員となった場合には、派遣先が給料・福利厚生費用を全て負担しなくてはいけなくなるので、派遣先の「人件費増」へ繋がってしまします。

会社の負担を増やしたくないと考えている企業は、無期転換に対して消極的になってしまいます。



3.まとめ

いままでは有期雇用だから気軽に採用できた派遣労働者を無期雇用し続けることはデメリットだという判断になり、2018年に大量の雇い止め(派遣切り)が起きることが予想されました。 労働者派遣法や労働契約法の改正は、無期契約労働者や正社員になりやすくなる為に改正されましたが、【派遣で雇えないならそこで雇い止めをする】というケースが高まる可能性があります。 正社員を希望する労働者がこの制度によって雇い止めされるのは仕方ありませんが、派遣社員のままで良かった労働者まで雇い止めされてしまう可能性が出てしまっているのが現状です。



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